次の日の朝、まだ店の準備をしている頃に由香里は昭久の店を訪れた。
「また来たのか、変態自殺娘。こりないヤツだな。」昭久は冷たく言い放つ。
「あきらめないっていったでしょ?ていうか、昨日より呼び方がひどくなってません!?できればユカリン☆ってよんでくださ「消えろ。」
「あぁ〜!冗談ですってば!呼び方なんてもうこの際なんでもいいです!それより今日はこれを持ってきました。」
由香里は昭久に履歴書を差し出す。
「は?何がしたいの?お前。」
「ここでバイトさせてもらおうと思って。履歴書書いてきたんです。あなたに好きになってもらうためにも、少しでも近くにいたいなぁ…と。」
「悪いが俺の店は、バイトを募集していない。という訳で帰ってくれ。そして二度と俺の前に現れんな。」「ヒドッ!やっぱり男にしか興味がないって話、本当だったんですね!」
それを聞いて、昭久が一瞬固まる。
「はぁ!?そんな訳ないだろう!」
「だって橋田さんが!『あいつは絶世の美女に告白されても付き合わない』って!だから男に興味がおありなのかと!」
「…修のヤツ、余計な事言いやがって。て言うか、なぜそうなる!俺は、いたってノーマルだ。」
昭久の言葉に由香里は安堵の表情を浮かべる。
「そうじゃないんですか。よかったぁ。」
「まぁ、どっちにしろ、うちの店はバイトいらないから。バイトを雇えるほど余裕ないし。」
「えー!頼みますよ!もうこの際、ただ働きでも何でもいいですから!」
由香里のこのセリフに昭久はあやしい笑みを浮かべる。
「その言葉に二言はないな?」
「は…はい。」
しかし由香里はすぐに自分が言った事を後悔する事になる。
―「…つ、疲れた。」
由香里は自分が言い出した言葉通りに昭久にこき使われ、ただ働きをさせられていた。食器あらいにゴミ捨て、店の掃除などの雑用ばかりだ。由香里は店が終わる頃には、心身共に疲れきっていた。
続く