龍雅は自らのストライカー『ディア＝パノス』を引き取るためにかつての上司である田所ゲンの暮らすＺ県に向かった。
程なくして機体を引き取った龍雅であったがその直後、ジゴクワグマと呼ばれる熊型のグルドに襲撃される。
度重なる攻防により幾度となく危機に見舞われる中でこの事件の背後にはかつて龍雅が滅ぼしたとされた組織『革命教団』が関与していることが明らかになった。
それまで覇気の無かった少年の目は力強いものへと変わっていった。
そして龍雅達は生き残った『革命教団』の残党を粛清するためゲンの元を去った。
某月某日朝……すじ雲が空一面に敷かれている中、遠くにポツンと見える１機のストライカーが雲を引き裂きながら飛んでいた。
そのストライカーは耳を破壊しかねない轟音を轟かせ、背中のバーニアからは半身を覆い尽くすくらいの炎が吹き出ている。
綾香「ねぇ、龍雅！あたしたちどこに向かっているの？」
綾香は龍雅の座っているシート前部のわずかなスペースにしゃがみ込んでいた。
非常に窮屈そうである。
龍雅「とりあえず、お前を家まで送り届けなければならないからな。これから貨物列車駅に向かう所だ」
龍雅は綾香が少しでも窮屈な思いをしないように右足を本来置く位置からは大幅に左に寄せて左足にくっつけている。
綾香「えぇ〜、ストライカーでひとっ飛び出来ないの？」
綾香は残念そうな表情を見せた。
龍雅は首を横に振った。
龍雅「そもそもこいつは旧式なんだ。運用に気をつけないと駄目だし最新式と違って燃料を必要とするからな……よし、もう着地するぞ」
綾香が首を縦に振り納得したそぶりを見せる間にディア＝パノスは駅構内の収容スペースに着地した。
すぐに前部のハッチを開いて二人は降りて来た。
龍雅「早速だが俺は手続きを取ってくる、綾香はその辺タバコでもふかしながら待ってるんだな」
龍雅は駆け足で駅舎へと消えて行った。
周りは緑生い茂る森林だけが広がり、小鳥がさえずる小さな駅ではさすがの綾香もタバコを吸うことは出来そうにも無かった。
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