巨大な鷹のグルドに襲撃された綾香はシェイルと言う女性に助けられた。
彼女は人材派遣ネットワークの人事部長補佐であるが会社の諜報活動のためにストライカー『バロンドール』で調査をしてるのだと言う。
更に龍雅とも面識があるようであった。
三人はそれぞれの帰路に着くため貨物列車に乗り込んだ。
貨物列車に揺られる中、龍雅とシェイルはそれぞれにストライカーの整備をしていた。
綾香は脚部の整備をしていたシェイルに話掛けた。
綾香「…あのぅ…」
シェイルは綾香に気付いて手を止めた。
シェイル「何だい?」
綾香「シェイルさんって昔龍雅と戦ってたんですか?それにゲン爺さんも知ってるっぽいし」
シェイル「ゲン爺さんを知ってるのかい?あたしも五年くらい前はワルノメーリ団の幹部でね、よくガキの頃の龍雅と戦ったものさ」
綾香「マジで…スカ?」
シェイル「ワルノメーリ団も壊滅して職に困り始めた時にゲン爺さんに軍へ就職することを奨められてねぇ、爺さんに書いてもらった紹介状をあてに行ったら入隊初日からVIP待遇だったからもう可笑しくてさ」
綾香は頷きながらシェイルの話を聞いていた。
綾香(ますますゲン爺さんって何者なのかわからないっての!)
突然前に置いてあったディア=パノスからスピーカーを通して龍雅の声が聞こえてきた。
龍雅「シェイル!わかっているよな?」
シェイルは余裕の笑みで空を見上げた。
鷹のグルドが編隊でこちらに向かっている。
シェイル「さっきの『クラッター』の仲間って所ね…。さっ、綾香ちゃんは客車の中に入っておくれ!」
綾香は駆け足で客車に向かっていった。
龍雅「綾香は避難させたか?」
シェイル「バッチリさ、それより龍雅。あんたは後方支援だけで十分よ」
互いの機体はそれぞれワイヤーを切り放した。
龍雅「本当か??もう若くないんだから無理すんなよ」
シェイルは呆れつつ口調はやや強くなった。
シェイル「全く、人を幾つだと思ってるの?あたしゃまだ23だっての!!それに…」
クラッターの接近と共にバロンドールは飛び立った。
シェイル「軍での成績は常に上位に食い込んでたのを忘れたのかい?」
渓谷をゆったりと走る列車の上空で戦闘が始まった。