桜吹雪とキングダム

夢見大  2007-03-09投稿
閲覧数[479] 良い投票[0] 悪い投票[0]

僕は昔から桜が恐かった。理由は、見ていたらどこかに連れて行かれるような気がしてならないからだ。あまりにも綺麗すぎるのも、理由の一つだ。春になったら、桜が咲く。これは変えることができない自然の理だ。
わかっていても、覚悟していても、桜が恐い。しかし、こんな僕も会社人になってしまった。会社に行くには、絶対、桜並木を通り抜けなければいけない。それに、お花見のシーズンに、席取りをするのが、新米の決まりになっている。恐い桜の下に陣取らなければいけないのは、僕に取っては尚更に苦痛だ。ほかの人たちは、恐くないはずだから、陣取るのがいやなだけだから、僕よりは、苦痛が少ないはずだ。
そんなよくわからない理屈をこねながら、僕は、花見の席の陣取りを嫌々続けていた。
仏頂面で陣取っていると、隣のシートの人が声をかけてきた。普通、仏頂面している人に話し掛けるのは躊躇われるが、その人は声をかけてきた。「あなたも、花見の席取りですか?私もなんですよ」
見ればわかるよ、と言いかけたが初対面の人にそんなことを言うのは、失礼だと思い、やめた。
「そうなんですよ」

この人が僕を謎の世界に誘うとは、この時は、全く思いも着かなかった。冒険の始まりだ。続



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 夢見大 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ