かごめ かごめ?
かーごめ、かーごめかごのなかのとーりはいついつでやる、よあけのばんに、つーるとかーめがすーべった
うしろのしょうめんだぁれ?
俺はこの歌が嫌いだった。子供の頃、ばあちゃんにこの歌の意味を教えてもらったことがある。俺はそれが怖がった。もっとも、社会人となった今はもう覚えてはいないが。
俺は今年で30歳になる。普通の高校でて普通の会社に就職した。結婚もしたし今の生活に不満もない。そんな俺だが、最近生活に変化が起きた。妻が身ごもったのだ。周りからすればごくありふれたことかもしれない、でも俺はとにかく嬉しくて生まれてくる子供の為、めちゃくちゃに仕事に没頭した。もちろん毎日まっすぐ家に帰り妻の様子もしっかり見た。とにかく俺は幸せだった。
そんなある日、それは起きた。俺がいつもの様に外回りから戻ると俺に電話が入っていた。若い男からだった。用件は大事な用があるから昼休みにでも会社近くの喫茶店に来てくれというものだった。俺は初めはイタズラだと思い無視しようとした。が、やはり気になって会って見ることにした。
昼休み、指定の喫茶店で待っているとそれらしい連中が現れた。どちらも俺より若い。眼鏡はかけた20歳位のとまだ顔に幼さが残る高校生ぐらいの二人組だった。そいつらは俺に言った。
「いきなりだけど…あんた…奥さんから逃げた方がいいよ?」
なにをいきなり…俺は腹をたてて言った。
「なんだいきなり…だいたいお前たちは何者だ!」
「俺達は…」
眼鏡の男が言葉を切った。
「日本政府特務機関…妖庁の役人だ」
つづく