ナイト・オン・ドラグーン【83】話『鎮魂歌−レクイエム−』

milk゙  2007-03-11投稿
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杖がゆっくりとガイアの背中から引き抜かれる。

『降伏しろ、お前の負けだ大地の守護者』

『ふっ…たいした女性だ優雅で華麗なメロディーが感じとれますよ』

縺れながらも立ち上がり、ガイアは荒い呼吸をしている。

『ほざけ!』

更にリリーナは追い討ちを掛ける。
杖を縦に横に降り回す。

『ぐぁ…』
すべての攻撃が命中し、ガイアは吹き飛び、壁にたたき付けられた。

しかし再び立ち上がり、ガイアはふらつきながら構える。
『クククッ…私としたことが…』

そう言ってガイアは床にひざまづき、手の平を当てた。
『認めましょう、これ以上戦っても私に勝ち目はない…ならば、今ここであなたがたを私とともに道連れにします!』

『くっ…させるか!』

アインは阻止せんと駆け出す。
大地の守護者が今しようとしていることは大体の予想がつく。

この建物ごと爆破する気なのだ。

『極意、四つ!”逆刃の風”!!』
疾走と翔けるアインの横を俊足でリリーナが走る。

『大地の守護者、お前が炎なら私は閃光…』

リリーナがガイアの横を擦り抜ける。
『私はここですが?外しましたか?』

しかしそのガイアの顔色もさっと引く。
『まさか…!?おやめなさい!!!』

ガイアがリリーナの後を追い掛けるように手を延ばした。

『炎を打ち消す一筋の閃光だ!!』


痛恨の突きを杖で繰り出した。

リリーナが捉えた物、それは大地の鍵。

球の形をしている大地の鍵に杖の尖端が突き刺さっていた。

そして音もなく砕け散る。

『迂闊でした…鍵を狙うとは…』
そこには力なくガイアが平伏していた。

『俺達の勝ちだな…』
アインがリリーナに肩を貸す。

『あぁ…命と繋がっている”鍵”を砕いたんだ、もう動けまい。封印も解放される。』


『死ぬ前にあなたがたと一戦交えれてよかったです。』

虚ろな目を天井に向けたままガイアが呟く。

『さようなら、貴女のような美女に殺られる最期も…悪くな…い…』


ガイアの体が光に包まれ、消え去った。

三つ目の鍵が解放された。

残りはあと二つ。

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