もとかれ (2)

ココロ  2007-03-12投稿
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そして私は、雅人の家を飛び出した。たくさんの荷物も置きっぱなし…
「後から取りにくればいいよね…」

外は、雪で真っ白で白い息が出る…行く所はないけど、とりあえず真冬の街中を歩いた。

「寒ッ!!」

私は寒さしのぎにバスターミナルへ入った。

これからどうしよう…

窓の外を見ると学生達やカップルが仲良く楽しそうに歩いている。
私は冷え切った体を丸めていた…

「ボン!!」

「??」

外から窓に、誰かが雪玉を投げた跡がある。

「何?嫌がらせ!?」

少しイライラしながら私は体を丸めて目を閉じた。

「ボン!」

「また?!?!」

窓を見ると、それは中学、高校が一緒だった後輩だった。
名前は「康(こう)」
私の一つ下の後輩で、私の同級生の弟で、何回か話をしたことがある。
康は、入口から私に向かって歩いてきた。

「こんな所で何してるの?」

康とは高校を中退する前に会ったっきりで、今の私の姿を見て少し驚いていた。

「……康こそ何してるの?」

「奈美さん、学校辞めたんでしょ? …実は俺も辞めたんだ。」
少しためらって私に話した。

「そうなんだ。アンタはいつか辞めると思ってた。。」
私は笑って康に言った。

「ねぇ、奈美さん、今日暇だったら家に遊びにおいでよ。」

私は、康に対して何も興味はないけど行く所がない。少しは暇潰しになるかな…

「うん、いいよ。」
私は笑顔で返事をした。

それから寒い外を二人で歩いた。今までの事や家出の事を康に話しながら。。。康は、黙って話を聞いてくれていた。
そうしてるうちに、康の家に着いた。

「親いるけど気にしないで?」

「え?!……うん」

とりあえず、親には挨拶しておこう…

「お邪魔します…」

「………はい」

見た目とても恐そうなお母さんだった。

康の部屋に入って、温かい物を飲みながら色々な話しをした。
私は何故か、康に心を許して、孤独な事や今までの事を泣きながら話していた……。
自分でもわからない。でも私は確かに寂しくて、孤独で康に助けを求めていたのかもしれない。

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