もとかれ (5)

ココロ  2007-03-13投稿
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康が小さな声で言った。

「康?! …大丈夫?!」

涙目の私を、康は笑顔で抱きしめてくれた。

「飲み過ぎたみたい。意識が飛んだよ。死ぬんじゃないかと思った…」

「バカ!!飲み方ってあるんだよ!……もぉ、心配したじゃん…」

笑える話かもしれないけど、この時の私はまだ幼くて、泣く事しか出来なかった。

「奈美? 俺さ、奈美が好きなんだ……守ってあげたい。」

まだ少し意識がモウロウとしている康だけど、私をしっかりと見つめていた。
私も康が好き………。
‘シアワセニナリタイ’

私は笑顔で言った。

「私も康が好きだよ…」

お互い、体を寄せ合って唇を近づけた。
どうしてこんなに温かいんだろう…
徹也がいる事を忘れて、私達は何度もキスをした。

「俺居るの、忘れてナイ!?」

徹也が私達に向かって言っていた。

「ごめん、徹也(笑)」

こうして、この夜は更けていって、私と康は同じ布団で寝ていた。
手を繋いで………




そして朝。暖かい日差しが窓から入って私達の顔を照らしている。朝方、康に何度も布団を取られて、私は少し風邪気味だった。

「おはよう、康」

眠たそうに康が起きた。
今日は朝早く、徹也の家族が帰ってくる予定で、私達は徹也の家から帰らなくてはならない。
私も康も、準備をして徹也うちを後にした。

また二人で雪道を手を繋いで歩いていた。

「くしゅんッ!!」

「どうしたの?風邪ひいたか?」

康が布団を取っていた…
なんて言えなかった。(笑)

「寒い………」

康が私のおでこに手をあてた。

「!! 熱あるじゃん!」

「え?」

確かに寒いし、頭は痛いし……
でも、そう言われてみればクラクラするな…。

「俺うち帰るぞ!」

康は私の手をひいて速足で向かった。
康うちに着いて、康が布団をひいてくれた。熱を計ると38.5…

マジ…?本当に風邪ひいた。
私は最高に頭が痛くて、寒かった。
康は一生懸命に私の看病をしてくれていた。 私は深い眠りについた。



「ん…?」

目を開けると康の姿はなかった。でも、隣の茶の間から話し声が聞こえた。



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