素直になれない私 21話

美咲  2006-01-25投稿
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「つーか、お前ポケベルは??俺のメッセージ見たか??」
『メッセージ??』その瞬間、顔面蒼白の自分がいた。彼からの返事を待っている時にキレて破壊した事を思い出した。
「壊れた...。アハッ...。」
「壊れた??何でや??」
「あんたが返事返さんから...。投げたら車に...ひかれた...?」
「...。お前、ホンマのアホやな。まあええわ。会えたんやし。」
優しく笑う彼を見つめた。彼も私を見つめた。そして波の音をかすかに聞きながら私達はキスをした。ファーストキスのような優しく、甘いキスだった。前にした時は突然すぎて把握できなかったが今は違う。彼の全部を受け入れたい、そう思った。もう恐くはなかった。
長い間見つめ合ったまま、私達はまるで波と一体化したようにその場で抱きしめ合った。人を好きになるっていい事だなと、この瞬間私は実感した。
この日、この瞬間を私は絶対忘れないと心に誓った。

それからは毎日電話して、休みになると私が彼の家に行ったり、待ち合わせして買い物に行ったりと本当に幸せな日々が続いていた。

そして冬休みに入り、初めてのクリスマス。
待ち合わせをして二人でクリスマスプレゼントを買いに行くことになった。
私が待ち合わせの場所に行くと彼はまだ来ていなかった。30分も早く着いてしまったから。周りは幸せそうなカップルでいっぱいだ。私もその一人として凍りつきそうな手をさすりながら、彼を待った。
しかし約束の時間を過ぎても彼は来ない。30分、1時間...。何かあったのではと彼のポケベルを鳴らしに公衆電話まで走った。
メッセージを入れ、待ち合わせの場所へ戻った。しかし彼の姿はなかった。
私のポケベルにもメッセージは入ってこない。もう一度、ポケベルを鳴らしに公衆電話まで行った。その場で5分待ったが連絡はない。しかたなくカズに電話をしてみた。
「もしもし??カズ??美咲やけど...。マサおる??」

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