海をゆらゆら 泳ぎながら目指した場所 進むたびに大きくなっていく この体 どんどん膨らむ 栄養たっぷり摂りながら 欲深い人間の夢のように膨れている 存在自体 生きていちゃいけない？ 海の中 南の海から北の海まで流されているだけ 生きているだけ 生きていたいだけ そんなに悲しまないで生きているんだから 死を選ぶ事はそんなに楽じゃないから 生きる為に必要な事している 魚を食べて 海の水を吸い込んで 流れに身を任せて ここまで来ちゃった 戻りたくても戻れない 自らは動けない 無力な命だから 誰からも好かれるものなんてなくて 誰もが愛するものを 恨み続けるものが必ずどこかにいる 愛と憎しみが隣り合った歪んだ世界 皮肉なバランスが海の中にも人の中にも存在している アンバランスな感情を確かめるように 騙し合い互いに奪い合いながら大きくなる くらげも人も夢もそれが真実 この世界中に孤独なエチゼンくらげはどれくらいいるのだろう 生きているだけで煙のように扱われ苦しんでいる 言いたい事も言えずに 泣きたい時も泣けずに 何となくが生きる術 そんな生命体 いつか分かり合える 嘘無く向き合える エチゼンくらげの存在価値に気付いて 世界中のエチゼンくらげがスターになる いつか必ず
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