MURASAME

あいじ  2007-03-15投稿
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河童?

清沢川は帝都東京の郊外にあり、都会の一部とは思えない清らかな河の流れで有名である。
「ふ〜この辺は涼しいんだ」
清沢川につくなり幸司が言った。
「清沢川の管理局は下流のほうだったな…笹川さんが待ってる。早く行こう。」二人は道を急いだ

下流の側で笹川は待っていた。彼の隣には保護したという河童の子供が立っていた。
「すいません。お待たせしました。」
「いえ、大丈夫です。それじゃ、後頼みます。」
笹川は笑って二人に会釈した。河童の子供は二人をじっと見ていた。
「お前、名前なんてんだ?」
幸司が子供に聞いた「河太郎…」
河太郎はまだあどけない声で言った。
「あんま心配すんな俺達がちゃんと家まで送ってやるから…な?」
河太郎は笑った。

下流の流れは穏やかで、三人の足取りも軽かった。しかし、中流に入ってからが問題だった。
「ハァ…ハァ…なんだここは…」
幸司が息を切らせた。背中には河太郎がおぶさっている。中流は下流と違い川の流れが急で岩肌を登らねばならなかった。天馬が少し遅れて幸司の下を登る。
「本当にこの上がお前んちなのか?」
「うん。」
幸司の問いに河太郎は頷いた。
その時岩の上から光が見えた。幸司は光に向かって登りきった。
「やっと…普通の道になった…」
下を見ると天馬がまだ下で四苦八苦していた。
「あのもやしっこめ少し待ってやるか…どうした?河太郎?」
見ると河太郎がある方向を凝視している。幸司も河太郎の見ている方を見た。
そこには巨大な河童が唸りをあげこちらに迫ってくる姿があった。
「まずい!羅喉…」幸司は羅喉を引き抜き迎撃しようとしたが彼の手に羅喉はなかった。
「やべ…河太郎おぶる時天馬に預けたんだった…」
そうしている間に巨大河童は二人に突撃した。幸司は河太郎を掴みかわしたが衝撃に耐えきれずそのまま川の流れの中に落とされた。
つづく

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