噴水のそばで
僕は君に思い付く限りの言い訳をした
君はとても強い女だった
いや
強い女だと思っていた
だから
君は傷つかないと思ってた
可愛がってた猫が死んだときも、君は泣かなかった
僕は、一度も君が泣いたのを見たことがなかった
だから
ずっと気付かなかったんだ
君は
噴水の飛沫が顔にかかるのをよけることもせずに立ちつくしてる
君が
体の全部で泣いているんだ
涙を流さないで泣く人がいるってことを
ずっと今まで気付かなかった