もとかれ (7)

ココロ  2007-03-16投稿
閲覧数[328] 良い投票[0] 悪い投票[0]

康のうちは六人家族で、康には兄、妹二人がいる。1番下の妹はまだ小学生で、家の中はいつもにぎやかだった。
私は毎日、康の家族とご飯を食べ、一緒に過ごしている。
康のお父さん、お母さんともすっかり仲良くなって、今では、「奈美」と呼ばれていた。

「そろそろ、奈美の荷物を取りに行こうか?」

康が言った。

「そうだね… 着替えも毎日洗濯しなきゃいけないし。取りに行く。」

私と康は、雅人の家へ取りに向かった。

雅人は仕事で家には居なくて、相変わらず散らかった部屋だった。
私の荷物も、そのまま。

「よし、行くか!」

康は私の荷物を持って、明るく言った。

「あっ、ちょっと待って!」

私は、雅人に置き手紙を書いた。
‘お世話になりました。今までありがとう。奈美は、出て行きます。’

テーブルに手紙と鍵を置いて、雅人の家を出た。
きっとここには二度と来る事はないだろう。でも、雅人には感謝しているよ。
ありがとう…


それから、康の家に戻ってきた。康の部屋には、私の物がある。私はそれがスゴク嬉しかった。
「二人の部屋…」

康は、今までの私と同じで、バイトもしていないし、毎日遊んでる生活だった。
私は、バイトを見つけ、少しだけど生活費をお母さんに渡していた。
康とは、毎日ベッドで愛し合って、どこに行く時も一緒。
部屋には、二人の写真。
お互い、毎日日記を書いて、それはまるで「交換日記」だった。
内容は、今までの事、これからの事、嬉しかった事、悲しかった事………。

私は、康を本気で好きで、こんなに人を愛した事がない。
康の笑った顔、少し細くて筋肉質の体、康の髪を触るしぐさ…

全てを愛している。

康も私を本気で愛してくれている。
私は、幸せそのものだった。


いつまでもこの幸せが、ずっと続いて欲しかった……。


i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ココロ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ