「おい希成。お前何部に入るんだよ。」
この高校に入ってから1ヶ月たち、
周りの男子たちとも打ち解けてきたころ
そう声をかけてきたのは
クラスでも奇人として有名な(?)
中野だった。
「いやまだ特に決めてないけど。」
もう高2の2月だしなぁ。
そう付け加えようとしたら
「なぁ、イカロス同盟に入れよ。」
いたずらっ子のような笑みを浮かべて
中野が言う。
「…は?イカロス同盟?お前死にたいの?」
「何で死ぬんだよ。」
「だってイカロスって人の忠告を聞かないばかりに
最後は死んだろ。」
「いいじゃないか。
人に流されずに
自分を貫いたイカロスに乾杯!」
イエーなんて言って
手を前に突き出す。
…何か間違ってはいないか、中野よ。
「ゆかりさんも入ったぞ。」
…え?
「俺が誘ったんだよ。そしたら
『へぇ、面白そうね。入るわ。』
だってさ。」
ゆ、ゆかりさん…。
「え、部員って中野とゆかりさんと…?」
「まだ2人しかいないけど。」
…はぁ。気が進まないけど。
「…じゃあ俺も入る。」
こいつと2人きりにはさせたくねぇ…。
「でも先生に届けはどうやって書くんだ?
こんなふざけた同好会
なかなか認めてくれないぜ?」
「その点はご心配なく!」