「連休になったら帰ってくるし、そんな悲しい顔すんなよっ」
康は明るく言えるかもしれないけど、私は置いてかれるの。
本当は応援なんてしたくない。
行ってほしくない…
涙を我慢できなくて私はたくさんの涙を流した。
「奈美……」
康は私を抱きしめた。
「離れても、気持ちは変わらない。ずっと一緒だよ。」
「…うん」
康?私は、この時、何があっても康を待ってるって誓ってた。
康とは永遠だって思ってたんだ。でも、人間って、離れてしまうと変わってしまうんだね。
私達、あんなあっけない終わり方をするなんて思わなかった。
あの時、離れなければ、今と違う人生があったのかもね。
二週間後、康は荷物を抱えて空港へ向かった。
きっと、康の中では、新しい事を始める気持ちで、輝いてたのだろう。
満面の笑みで、康は手を振っていた。
その日は晴れていて、雲一つない青空だった。
それが余計に悲しくて、私は康が乗っている飛行機を見えなくなるまで見ていたんだ。
涙で飛行機が見えなかったけど、ちゃんと見ていたよ。
あれから私は、バイトもバリバリ頑張って、今までの私じゃないくらい真面目にしています。
遊びになんか行かないし、今思えば引きこもりみたいだった。
毎日、康に手紙を書いてるよ。
それから何日か経って、康から電話が来た。離れてから初めての電話。
「もしもし?元気か?」
「電話ないから心配したじゃん!」
「ごめん、やっと落ち着いたんだ。」
久しぶりに康の声を聞いて、私は安心した。
この間まで隣にいた康が遠くにいるなんて信じられなかった。そして、たわいもない話をして、電話を切った。
あれから、一ヶ月。康は仕事が忙しいみたいで、あまり電話をかけてくれなくなった。
私は、康の誕生日が近いからプレゼントを買って、康へ送った。
康への、最初で最後のプレゼントになるなんて、その時は思わなかった。