何日か後、康から電話があった。
「プレゼント、届いたよ!ありがとうな!」
お礼の電話だった。
「ううん、いいんだよ。それより仕事忙しそうだね…」
「うん。そうなんだ。あとは、先輩に連れ回されて大変! 楽しいんだけどね。」
康は、仲のいい先輩ができたみたいだった。
「そっかぁ。大変だけどまた電話待ってるから!」
そういって電話を切った。
それから康からは、まったく電話がこなくなってしまった。
私がかけても、留守電が多い…
康は何をしているんだろう。
私は毎日不安で寂しかった。
「もしかして……」と考えた事もある。
でも私は康を信じている。
ある晩、康から電話があった。
それは、すごくテンションが高くてびっくりした。
「奈美〜〜!愛してるよ〜!」
康の大きい声で私はビックリした。
「何?!どうしたの?」
「奈美は俺を愛してないのかぁ?」
「いや、愛してるけど……」
「なら、いいんだぁ〜!じゃあね〜!」
電話が切れた。
私は康が酔っ払ってると思っていた。
クスリをやってるなんて思いもしなかった。 その話は後で徹也から聞いた話だった。
私はその話を聞いて、ショックだった。
康が、先輩に奨められて…と言ってたのだと。
あれ以来、私のところには康からは連絡がこなくなった。
私は毎日泣いている。
康が変わってしまった事、信じたくても信じられない現実。
あの頃、私の事を抱きしめてくれた康の温もりが愛しくて、離れた事を後悔した。
私は康の連絡をずっと待っている毎日だった。
そして、携帯が鳴った。
「康だ!!」
携帯を見るとメールだった。
あまりメールをしてこない、康からのメール……
私は胸騒ぎがした。
「俺、こっちで彼女できたから。電話もメールもしないで。」
何?これ……
私は何度も読み返した。
私の知っている康じゃない…
冷たくて「ゴメンネ」の言葉もない。
康は本当に変わってしまったんだ。
私は、メールを打ち返した。
「私も、もう彼氏できたから。」
意地を張る事しかできなかった。康を待っていた私は、ミジメだった