薄暗い駐車場
鳴り響く銃声
逃げる男
血まみれになり、倒れる男その苦しみに満ちた顔は――愛しいあの人
声にならない叫び声をあげながら私は跳び起きる。
有り得ない程汗をかき、心臓の音がうるさい。
私は自分を落ち着かせるためにベッドの脇に常備してあるペットボトルの水を渇いたのどに流し込む。
―私は、普通の会社勤めのOLだ。自分は平凡で普通の人間だと思ってきた。
…ただ、一つの事を除いては。
昔からたまにすごく鮮明な夢を見る。まるで現実味のある夢を。
それが、本当に現実に起こってしまうのだ。
すなわち、予知夢。
―『未来』が見えてしまうのだ。
そして久しぶりに見てしまった。あの夢を。
しかもよりにもよって自分の彼氏が殺される夢だ。
時計をみると、まだ朝の4時。今日は彼と久しぶりに会う日だ。
―駐車場だけには近づけないようにしよう。
そう、混乱する頭で考えた。
―運命の一日が始まろうとしていた。
続く