今時珍しい、だるまコタツがある、、今にも消えそうな明かりのもと。
私を含め六匹の犬がフセの状態で円をつくり向かい合う、、。
皆顔は人間、、不気味な集いだ。
私に声を掛けてきたメスが場をしきり、語りだす、、。
議題は私たちが人間に認められるにはどうしたらいいという内容、、無理だろ、、。
こんな姿で可愛がってくれる人間などいるはずがない。
実験材料かハクセイになるか、そんな扱いだろう。
話半分に私は他のメンバーを観察する。
議長のメス、、。
幼い兄弟、、。
オバサン、、。
イケメン、、。
今気付いたが、もう一つ人の顔した石が転がっている、、、あれもメンバーなのか?
石ゆえに意志がない、、。
うまいことをいったとニャニャしている自分をよそに、メスとオバサンが激論を交している、、。
はなしても無駄なのに。
イケメンがため息混じりで呟く、、私も同意し頷く。
兄弟は脅えていて、二人抱き合ったままだ。
石は無言をつらぬく、、。
まだ議論は続いていたが、参加するのもめんどいのでイケメンと世間話をすることにした。
彼は彼女に振られたのをきっかけに自殺した人らしい、もったいない、、その顔があればまだまだ女は捕まったのに。
彼は照れ笑いし、『後悔してる』とだけ呟く。
まだ議論は終わりそうもない、、。
兄弟が震えていたので側へ行くと、肩がピクンと反応し。塞ぎ込む。
大丈夫だよ、私は怖くないよと伝え。軽いジョウクをとばしやっと彼等に笑顔が戻った。
話を聴くと、彼等は家庭内暴力の末命をおとしたらしい。
腐った世の中だ、、やっぱ人間は信頼できない。
終始彼等を慰めた。
石は無言をつらぬく、、。
突然入口の戸が開き、人間が一人入ってきた!!