MURASAME

あいじ  2007-03-17投稿
閲覧数[607] 良い投票[0] 悪い投票[0]

河童?

「やっと着いた…」幸司の下を登っていた天馬が岩壁を登り終え息も絶え絶えに呟いた。
「って…あいつら先行ったのか?」
天馬が周りを見渡すが幸司の姿がない。「待っててくれりゃいいのに…」
天馬はそう呟やくと先に進もうとした。その時、天馬は頭上に気配を感じた。頭上を見上げると巨大な手が迫った。
「くぉ!」
かろうじて身を下げ直撃をかわしたが、その衝撃で彼は吹き飛ばされた。
「なんだ…コイツは…」
天馬が立ち上がり前を見るとそこには、三目の巨大な河童が醜悪な姿を晒していた。体に粘液のようなものがまとわりついている。
「河太郎の仲間か…迎えにきたワケじゃなさそうだな」
天馬は袖を捲り腕を剣に変換させた。そして巨大河童にむかい斬りつけた。
「!?」
しかし、剣は巨大河童の体を覆う粘液にはじかれ外れた。
「チッ!だったら…」
天馬は高く舞い上がり、巨大河童の脳天に剣を振り落とした。だが巨大河童は即座に頭を引っ込めそれをかわした。巨大河童は手を動かし天馬を掴み取った。そして満身の力をこめ握り潰そうとした。「ぐがああ…!」
天馬は必死で抵抗し、巨大河童の指を押さえつけた。
(クソ…どうにかして頭の皿を…そうだ!)
天馬は上着のポケットを探り雨宮からもらった油を取り出した。それを巨大河童の頭上の皿に叩きつけた。巨大河童はさらに力をこめた。
「へへ…燃えちまえ…」
天馬はライターを取り出し火を点けたまま皿の上に落とした。火は油に着火し瞬く間に巨大河童の全身を炎が覆った。
「皿の水が無くなれば…てめぇは終わりだ…」
巨大河童は苦痛の叫びをあげやがて、骨のみとなり果てた。つづく



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 あいじ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ