中野さんはある時、父と母に相談してみた。
父は、そうだよなぁ……そんなの難しいよな。辞めさせないか、と母に言ったが
母は、駄目よ!理解出来ないなら家庭教師を雇いましょうよ、と言う。
結局中野さんは
やっぱり大丈夫、と言って外に出てしまった。
母にも、辞めたい、と言えば納得してくれることは分かっていた。
ただ、期待に応えられないのが嫌だったのだ。
気づけば公園の中にある木の前で座っていた。
もうちょっとしたら塾の時間………
「あれ?」
目の前に不思議な形の生き物?があった。
全体は灰色で耳が一つ、目も一つ、口は2つ。
大きさはサッカーボールくらいだった。
何?これ………
中野さんはちょっと近づいてみた。
触ってみると少し柔らかい……
と、その時
「………水っ」
「へ?」
「水……っを汲んできてくだらさんか…」
……喋ってる。
日本語を喋ってる…
中野さんはそれしか思わなかった。
人間にはとても見えないし………
子供ながらに犬とかとは違うものだと思った。
だから―…
中野さんは素直にきこうと思った……