ヤス#16

チャーリー  2007-03-19投稿
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ヤス#16
そろそろ帰る時間だという事は分かっている。そして、これで最後だと自分に言い聞かせて潜った時、イセエビを見つけた。ざっと見ただけでも十匹はいるだろう。心臓の鼓動が早くなった。水面に顔を出し、思い切り空気を吸い込むと再び潜った。ヤスは用心深くイセエビの潜む岩陰に近づくと、磯カギを叩きつけた。「ギィ!」とイセエビがないた。三度潜って、三匹のイセエビが採れた。残りは逃げてしまった。
ヤスは大満足で陸に上がった。上がって、不味い!と思った。陽が西に傾いている。沖を見れば、満ち潮の流れに変わっていた。
【第3章】…[初めての孤独]
潮が満ち始めている。不味い!実に不味い状況だった。潮目が移動している。しぶきが泡立ち、ヤスが歩いて来た方向へと、凄い勢いで流れている。割れた海が消えつつある事を意味していた。
ヤスは慌てた。急いで戻らねばと思い獲物を入れた網を持ち上げた。悪い事は続くものだ。釣り過ぎて、採り過ぎた。六歳の少年が持てる量にしては、まさしく荷が重すぎた。ヤスは網を引きずりながら急いだ。少しでも陸地がある内に戻れば大丈夫だ。十歩進んでは一息つき、また十歩進んだ。もう直ぐだ。



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