私からアナタが消えていく
一秒たりとも忘れたくないのに
どんどんアナタは薄れていく
私はどうすることもできない
ビリビリに破けた紙を修復するようにアナタを辿っていくがどうしても元に戻せない
私があんな我が儘を言わなければあんなことにはならなかったはずだ
自責の念に問われるがアナタはもう戻ってこない
私もいっそ死のうとリストカットをして手首はあざだらけだ
でもいつもアナタに止められる気がして一命を取り留めるのだった
しかし体はやせ細っていった
アナタとつきあっていた頃とは20キロも痩せてしまった
でも今日でアナタの一回忌
私もアナタの元に向かいます
高層ビルの20階の屋上から私は飛び降りた
落下まで走馬燈のようにアナタが甦る
「俺の分まで生きろ」
そんな声がしたような気がした
突然突風が吹いた
私もその風に流されてしまった
目が覚めると親が泣いていた
話を聞くと一年間眠っていたらしい
旨く風に流されて木の茂みに入ってクッション効果で一命は取り留めたらしい
でもあの声がなかったら私は死んでいただろう
ありがとうアナタ