これは夢なのだろうか?それとも漫画やテレビの見過ぎで私がおかしくなったのだろうか?…今私の目の前に死神がいる。それも自分のイメージとは全く合わない死神が。しかしそれは空中に浮いていて周りにはどうやら見えていないらしい。そして自称死神は私に向かって「私は死神です。明日あなた死にます。」と唐突に告げてきた。
私が死ぬ?なんで死ぬのか想像もつきやしない。もっと死神なら恐ろしくて恐怖を覚えるような外見を思い浮かべていたがどことなく愛着があり可愛いらしい外見なのだ。それから死神は私についてきてキョロキョロと周りを確認しては初めて見る物ばかりのようで目を輝かせて驚いていた。少しも死神になんか見えなかった。私が死神になぜ死ぬのかと尋ねても「とにかく死ぬ。」の一点張り。しかし死を宣告されたなら全財産で最後においしい物でも食べようと考えた。全財産で食べ切れないくらいの豪華食品を買い家に帰り泣きながらがむしゃらに食べた。すると死神はまた興味津々な様子で私を見つめてくる。私は涙を流しながら「食べてみる…?」と食べていた物をすすめてみると「うん!」とうなずいて食べ、あまりにおいしかったのか目を丸くさせていた。そして死神は「お前いいやつ!死ぬの勿体ない!俺帰る!」と私の目の前から煙のように消えたのだ。私は途端に安心した。生きれる!!生きることがこんなに嬉しいだなんて!!と歓喜をもらした。
−しかし、翌日私は首を吊った…−
最後の晩餐で全財産を使ってしまったのだ。どうやら全く死神らしくなかった死神はどうやら本物の死神だったようだ…。