約束だよ

涼美  2007-03-21投稿
閲覧数[220] 良い投票[0] 悪い投票[0]

いつもと変わらない午後。

ガラスの窓越しには、憂鬱そうな顔をした私がいた。

そう、ちょうどあの日も……今日のような雨模様だった。

大学の帰り道、毎日通ったこのカフェ。
珍しいけれど、午後になると客足がほとんど無くなる。

でも、そうやって活気がないところが私は結構好きだった。

真珠のような、雨の雫が、
ガラスを伝っては、流れ落ちてくる。

その小さな雨音が、凛とした静寂の中に響いていた。
私は、深いため息をつく。

マスターは、穏やかな顔をして、コーヒーの豆を炒っていた。


やがて、ほのかに香ばしい香りが店内に立ち込め始める。


この香りを嗅ぐと、私は思い出す。

雨の降る昼下がり、びしょ濡れでカフェに飛び込んで来た彼のことを……。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 涼美 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
ブツブツ・ザラザラ…
ツルリン綺麗な美肌♪


▲ページトップ