剣道 ?

ちか  2007-03-21投稿
閲覧数[562] 良い投票[0] 悪い投票[0]

いつもの稽古中──
矢倉さんは先輩と地稽古をしていたのだが……………
───おかしい。
雰囲気がいつもと違ってピリピリするのだ。
まるで殺気だってる。
さすがに稽古中、今は話し掛けるのは止めとこうと稽古に集中しようとした時

「ぎゃああああぁ!」
──掛け声でもない。
それは先輩の悲鳴だった。
悲鳴をあげながら竹刀を片手で振り回し、矢倉さんの顔に向かって竹刀を投げてきた。
幸い、面を被っているから無傷だし、何でもないことだが
先輩の様子は──おかしい。
「*※…ちゃ■っ◇〇!!!」
訳のわからない言葉をまくし立てる。
おい、どうした、と他の先輩方が声を掛けても無視。
「おい!誰か先生を呼んでこいっυ」
どうした、松前。
駆けつけた先生の呼びかけにやっと反応を示す松前。
「せ…んせっ!むり…も…駄目ですっ」
「何が駄目なんだ?」
「おれ…おれっ矢倉と稽古してたら変なものが見えたんです!何か…武士みたいな……」
結局松前は疲れから来る幻覚だと言うことで、しばらく休んだが
それからも、時々俺と剣を交えた奴がおかしくなる事件は起こった。
「こえーな!俺達は武士が見えなくて良かったわ」
噂も広まり、先輩方にも面白半分でネタにされることもあった。
「何でだろう?本当に武士でも憑いているのか?」
矢倉さんは少し不気味に思ったが、あまり気にしないように努めた。
あの日までは───

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ちか 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ