「・・・・そしたら母さんに言われたんだ。諦めるのはお前の勝手だけど、それを母さんのせいにしたら絶対許さないって・・」
エっ・・
「・・ねぇ、もし君に将来好きな人ができた時、君がお母さんの立場になったらどうする?」
ヤダっ・・私高校生に何聞いてんのょ
「わかんないよ、今そんなこと聞かれても」
「だ・・・だよね。」
「でも母さんみたいにできたら──っと思ってるよ。」
「なんでそぅおもうの?」
「だって、惚れた女を夢ごと包んで背中押してやるなんてかっこいいじゃん。」
「・・・・・・・」
私は何も言えなくなってしまった。
和弥と同じ事いってる。
はりつめた空気の中でその子は照れくさそうな顔をして口を開いた。
「──どうせならそんな男になりたいじゃん」
「──それで全てを失ったとしても?」
「かっこつけかもしんねェけど、好きな奴に俺と会わなきゃよかったなんて思われたくないもん」
「和弥・・・・・」
「え?なんて言ったの?」「うぅん、なんでもないの」
ブロロロ-
一台のバスが近くのバス停に止まった。
「俺もう行かなきゃ。」「うん。色々とゴメンね。」
「……あげる。好きだろ?オレンジジュース」
え!?・・・なんで!?
・・まさか
そんなことあるわけ・・ブロロロ-
「─和弥!!」
間に合わない・・
「待ってよ。・・待って─!!」
俺と会わなきゃよかったなんて思われたくないもん。
なんで?
──和弥・・・
「ごめんください」
あれから三ヶ月たちました。
仕事も順調に進んでいます。
お義母さんは和弥のアルバムをみていた・・
「・・やっぱり、そうだったんだね。」
「何がだい?」
「いぇ・・お義母さん。今日は和弥さんの子どもができていたのがわかったのでご報告にきました・・・・・」
女ひとり
生きていくのは大変だけど・・
あなたの残してくれた子どもと一緒に
がんばってみようとおもいます。