時は宇宙歴2125年13の月1日
第三次銀河大戦の真っ直中
太陽系の第三惑星所属の銀河最大の輸送船シロナガスは、次の輸送先へと向かっていた
その機関室では、二名の女性整備士が修理を行っている
「シュガー。スパナをちょうだい」背が高い黒髪の整備士が、栗色の髪の身長が低めの彼女に言った
「あ。はい。」
スパナを手渡す
そこへ別の声が割り込んできた。声の主は見えない
『ラテ。どうだ?』
「かなり損傷が激しいです。モカさん」
『そうか…。仕方ない…。こっちも降りられる星を探してみる。頑張ってくれ』
「はい」
中央管理室
そこでは2名
さっきの声の主である、モカと呼ばれる茶髪の女性ともう一名。金髪の女性が話をしていた
「シナモン、この辺りに降りられる星はあるか?」
「…連合国所属の星はありません……」
「そうか……」
通常、輸送船シロナガスには乗組員は最低でも80名は必要なのだが現在はたった4名だ。
船長、モカ大佐。
副船長兼、航海士。シナモン少尉。
整備士、そして医師でもある。ラテ伍長。
そして、もう一名の整備士、シュガ―二等兵。
以上である。
「…この星はどうですか…?」
「……中立の星か…ダメ元で交渉してみるか」
中立の星は戦争に関わりたくない為に、戦争に絡む船の寄港を拒むものだが…
「……許可がでました」
「なんか、あっさり出たな…?」
「どうします?」
「決まってるだろう」
その事は機関室にも伝えられた
「了解。…良かった」
シュガーは安堵の声をあげる
「……」
しかし、ラテは下を俯いてなぜか真剣な表情をしていた。
「ワシはソルトという。一通り見せてもらったが、大規模な修理が必要ですな」
ソルトという初老の整備士が、この船の乗組員4名に話す
「どの程度、かかりますか?」
シュガーが尋ねる
「応急処置だけでも7日はかかるかのう…しかし、これだけの船の乗組員が4人か」
ソルトは苦笑いをはする
「7日か…。こりゃ、輸送が大幅に遅れるな」
船長のモカは、全く困った様子はなく舌をだした
「とりあえず、滞在は余裕を持って10日で申請をしとこう。あと、この船を降りる事は禁止されとるからな。必要な物があったら、ワシに言え。以上だ」
そう言ってソルトは立ち去った