恋をしたなんて…
随分前の話になりだした今日この頃。
桜の蕾が開きだし
家族連れやカップルなどが幸せに見上げる桜並木をリコはイヤホンの音に集中するわけでもなく
ただ無表情に歩き続けた
リコにとっては、桜の名所と雑誌に乗った場所もただの道にしかない
桜の季節はイヤに目障りだ
そう感じながらリコは歩き続けた
リコが桜の時期を嫌うのは1つ理由があった
それは『恋愛』を連想させるから…
リコは決してモテないわけでもないが…整った顔でも男性が見惚れてしまう体系でもない
しかし笑顔だけは誰もが可愛いと感じてしまう
雰囲気みたいなものをリコは持っていた
しかし…リコから始まった恋はことごとく失敗に終わる
何度かそんな失敗をしてリコは気付いたのだ
連想なんて――――諦めなんだって。
入口を広く考えてからはリコの恋愛関係の数も人並みになった
ただそこにリコからの『愛』はなかった
相手が惚れて―リコに告白。リコは当然OKする
そんなスタートが今までの恋愛だった
いつしかリコは恋する心を忘れ…周りが幸せそうにいちゃついて居るのを見ると『諦めた相手のレベルがアレか…』と考えるようになっていた
ふと桜がひとつリコの目の前に舞い降りた
リコは道だけを見ていたため視野が桜の影で狭くなり驚いて立ち止まってしまった…
『こんにちわ(^v^)』
いつも通る道
いつもの時間
いつも歩き過ぎる場所
そんな場所に彼は笑顔で立っていた―――――