五年前の午前2時…。電話のベルで目を覚ました。『お前を海の底に沈めてやる。待っていろ…!』と男の声。そんないたずら電話から始まった顔の見えない男と三年も受話器だけのお付き合いが始まった実話です。怖くて電話を切る事が出来なかった。きっと私が電話を切ったら男はこれからもこうしてかけてくるに違いない。
私は『待っているわ。あなたと一緒だったらいいよ。』
男『馬鹿にしているのか』と怒鳴った。
『一人で海の底は行けないわ。寂しいから…』
『早く迎えに来ないと私、あなたの魂を連れて行こうかしら…』
『あなたの魂だったら今すぐ連れて行くこと出来るのよ。だって私たちこうしてお喋りしているからお友達でしょ。』男は黙って電話を切った。終わったと思った。ここから始まった。