あなたの隣で歩きたかった。
あなたの隣で笑いたかった。
だけどあなたの隣には
いつも知らない子が居て
いつも紹介してくれる
あなたの優しさが
あたしには
痛いくらいだったよ。
「梨華〜!」
「あ、亮也」
「彼女出来た♪」
そう言って携帯の待受画面をあたしに見せる亮也。
これで何人目だろうとか思いつつ、
「可愛いじゃん」なんて言ってるあたし。
馬鹿みたいだと自分でも思う。
だけどいいの。
この関係を崩したくない。
「綾ってゆーんだ♪」
「今度は長続きするといいね。」
「おう。任せろ!」
そう言ってハニカム笑顔から
「もう別れたよ」って早く聞きたいあたし。
最低な事は分かってる。
だけどいつになったらその待受にあたしを映してくれる?
「じゃ、これからデートだから。」
「ラブラブだねぇ」
「まぁな。」
今では亮也から彼女を見せられても大丈夫だけど
昔はいちいち傷ついたんだよ?
「なぁ、俺彼女出来そうかも!」
「へ?いきなり何?」
「好きな子と両想いだった♪」
「・・・よかったじゃん!おめでとう!」
「ありがと〜」
あたしは一人で泣いた。
おかしくなるほど。
明日から笑っていられるようにと。
今はもう泣かない。
胸がちょっと締め付けられるだけ。
亮也の前では笑っていたいから。