「濡れたらいけないだろ?」
そう言って、自分の傘を差し出してくれた。パラパラとしか降ってないのに。
私は別に濡れてもいいのに
貴方は濡れて風邪をひくのを常に心配してくれた。
でも、もう心配はしてくれない。
いつからだっけ?
私は全然気付かなかった。
二人の間に雨が降り、水溜まりができていたのを。
貴方がそれに気付かないふりをしていたのかもね。
今度は私の中で雨が降り続いて…それが晴れるのはいつになるか分からない。
涙が雨のように降り続ける。きっとダムが出来るくらい。それでもまだ止まらない。
泣いて泣いて
枯れるまで泣いて
貴方のぬくもりや
言葉、仕草を思い出して泣いて泣いて…
やがて、雲が消えて虹ができる。
その時、私は次の思い出作りへと―\n
きらきら太陽が私を呼んでいる。
心配いらないよ。
一応傘はちゃんと持ってくね。
いいよね?