彼は本当に綺麗で横顔や笑った時の顔…私を見つめてくる目や優しい声が今まで知り合ってきた男性とは違って特別に見えた。
彼は私のことどう思っているんだろう…そう考えてしまった。
私は極端に綺麗でもない。彼には大人の魅力を持った女性が似合い過ぎて、とても私と前世の繋がりがあるなんて考えられなかった。
「サキは可愛いね」
耳を疑った。
「からかうのは辞めてください。」と言うと、また見透かした目で私を見つめてきた…
「前世の君と変わってないな」と私の目を見たまま、彼は微笑んだ。
「私達は前世でどういう関係だったの?」
「記憶ではオレの片思いだったみたいだ。やっと振り向いて貰えそうだったんだけど君は頑固だからなかなか結ばれなかったみたいだね」
私はまた心臓の奥がキュッと痛くなった。
今の私は彼ともう少し一緒にいたいと思ってる。でも彼に好かれる自信やこの気持ちを伝える勇気がでなかった…前世の私もそうだったのだろうか?…
その時だった!!!
トンネルが崩れ、凄まじい音とともに電車の中に流れるように土砂が流れ込んできたのだ!!…