「わかった。」
そして私達は、三日後再会をした。
私は、もう車の免許も取れていて車も持っているから、その日は康を迎えに行った。
車で康の家まで行くと、玄関の前で康は待っていた。
一年前とは全然違う康の姿…
顔は、ヒサロに行った後の黒い肌、髪は少し長めのギャル男みたいだった。
でも、笑顔は変わっていなかった。
「奈美、久しぶり…」
車のドアを開けて康は微笑んでいた。
「少し、痩せたか?奈美も変わったな…。」
私も一年前とは変わっていた。
少し痩せて、服装も髪型も。
「久しぶり…康…。」
私と康は見つめ合っていた。この一年、触れる事もできなかった康が私の隣にいる。
夢みたいだった。
とりあえず車で近くの公園まで運転した。
何を話していいかもわからなくて、私達は黙っていた。
「奈美、ごめんな。」
康が小さな声で話し出した。
「俺、あっちに行ってから凄く変わっちゃって…」
私は黙って聞いていた。
「俺さ、メールで別れようって言ってから、いつも奈美の事を考えてたよ。」
「じゃあ、なんであんな事したの?!」
私はつい大きな声で言ってしまった。私にとってこの一年は凄く辛くて、康を責める言葉しか出てこない… でも、好きな気持ちは変わらないんだよ…
「周りに影響されすぎたと言うか、寂しくて、辛くて…」
「…え?」
「だから、奈美の気持ちを確かめたくてあんなメールをしたんだけど、まさかああゆう返事がくるなんて…」
「私が‘別れたくない’って追いかけて欲しかったって事?」
「…うん。」
「私がどれだけあのメールで苦しんだと思う!?そんな駆け引きみたいな事…」
頭の中で、この一年間の事が蘇った。悔しくて、情けなくて、涙が溢れてきた。
康は、下を向いて、私の話を聞いていた。
「あの時、私が送ったメールはただの意地だよ。彼氏なんかいなくて、私は康の事ずっと想って…」
涙が止まらない。
康が私の手を握りしめた。
「愛してる…奈美」
助手席から康の手が伸びて私を優しく抱きしめた。
車から見える風景は、康と出会った季節と一緒で、白い雪が降っていた……