俺は走っていた
一直線にゴールを目指して
そして地面に書かれた線を越える
そして荒い息を整える
「タ、タイムは?」
「向原陸(むかい・りく)!記録・・・」
俺は記録係にタイムを見せてもらった
「はぁ・・・」
俺は帰り道に溜め息をつきながら歩いていた
すると隣を歩いていた幼馴染みの秋本光(あきもと・ひかり)が悲しそうな顔をして
「そんなに気にすることないよ。陸くん。ね?元気だしてよ。」
と俺を励ましてくれる
「・・・・・」
俺はそんな光の励ましも効かないくらい落ち込んでいた
もうすぐ大会なのにこんなタイムでは入賞どころか予選すら勝ち上がれないであろう
「陸くん・・・・・」
光は何を思ったのかいきなり走り出して自動販売機に向かった
「はい、レモンスカッシュ。これ、陸くん昔から好きでしょ?」
光は笑顔で俺にジュースを渡してくれた
光が少しでも俺の事を気遣っていることが俺は嬉しかった
「うん。好きだよ。ありがと」
「私の事も・・・好きになってほしいな・・・」
光は何か言ったが俺には聞こえなかった