タイムリミット 〜終れない恋〜

 2007-03-27投稿
閲覧数[280] 良い投票[0] 悪い投票[0]

結婚してから一度だけあの人と会った。
暑い夏の日、あの人と出会った海で・・・偶然だった。

偶然?
・・・イヤ必然?

出会ったあの日のように私は仲間と海に出た。あの人も仲間と海に出た。あの日と同じ暑い夏の日に。

目が合った私とあの人は昔のように無言でそっと並んで歩いた。

ジリジリとした昼の太陽が照りつける中、車の中で抱き合った。我慢できなかった。

『抱きしめてくれたなら』
それだけで今までの切なさが吹っ飛ぶ気がした。
結局してはいけないのに、いけないはずなのにセックスしてしまった。

「どんな風に抱かれているの?」

あの人の問いかけに抱かれながら答える事ができなかった。車の中を思い出の曲が流れ続けた。聞き慣れた曲が私を一層苦しめた。
その問いも曲もすべてあの人から私への愛情が溢れていたから。

それから数ヶ月過ぎ、あの人からの連絡がきた。あの人らしい淡々とした口調で。

「俺待つから。待ってるから戻って来い。」
そして今、あの人が待ってくれると言ったタイムリミットまで、

・・・残り9ヶ月。

あの人からの連絡は途切れる事はなく続いている。ずっと連絡を待っている私がいる。

子供を捨てれる勇気もなく、私をこんなにも愛してくれる旦那を捨てる事だって到底できない。

だって大人になったから。

もう戻れるはずはないと自分にいいきかせ、戻りたいと毎晩願い、会いたいと毎晩願う。

終れない恋への
タイムリミット。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 姫 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
人気雑誌多数掲載
脂肪溶解クリーム


▲ページトップ