翌日亮は学校へ来ていた。『ほらかな!ちゃんとゴメンって言わなきゃ!』
彩が後ろから後押しする。『うん……』
かなは亮の所へ歩いていった。
『ねぇ…昨日学校休んでたけど…どうしたの?』
かなが聞いた。
『えっ?あっ……あぁちょっと用事があってな』
亮は戸惑った。かなにどう接したらいいか分からなかったからだ。
『そう……あの時はゴメン…腕掴まれてちょっとビックリしただけだから別に嫌でしたわけじゃないから』
かなは気まずそうにしながら言った。
『あぁそんなん気にせんでええよ』
亮は笑顔で答えた。
『でもゴメンね…じゃぁ彩の所に用事あるから…』
『そうか……ほなな』
かなは彩の所へ向かった。
『これでスッキリしたでしょ?』
彩がかなの肩を叩きながら言った。
『まぁ…そうだね…』
「いつもより元気がなかった気がするけど……」
『じゃぁ今日マックでも行こ!朝CM見てて食べたくなったんだよね』
『そうだね!行こ』
そしてその後も何事もなく次の年の春…かなは高校二年生になった。
高校にも当然慣れて友達も増えた。するとかな達はいつも決まったメンバーで遊ぶようになっていた……
『よっ!かな!今日も彩と一緒に家来るの?』
『うん!行くよ!彩が居残りみたいだから遅れて来るけど』
『分かった!じゃぁ仁と亮で先に帰っとく』
この人は宮森 俊(みやもり しゅん)彩に負けないくらいハイテンションでムードメーカー的存在親が大手企業の社長で金持ちで社会勉強だと言って俊に一人暮しをさせている。当然私達のたまり場となっている。
『うん!分かったぁ〜』
かなは軽く返事を済ますと彩のいる教室へと向かった。
かなが廊下を歩いていると一人の男子が歩いていた。
『あっ!仁!俊と一緒帰るんじゃないの?』
『そうだけど忘れ物してて』
この人が島崎 仁(しまざき じん)顔立ちがよく性格もクールで女子から人気があってモテている。不思議なことに高校に入って誰とも付き合ったことがないらしい。
『そうなんだ、多分俊待ってると思うよ?』
『分かった、じゃぁまた後で』
『うん!またあとでね』
かなは仁を見送ると再び彩の教室へ向かった。
教室へ着くと彩がプリントとにらめっこしていた。