やっと教えてもらった携帯番号とメアド。なのに用事もないからかけられない。でも私のドジのおかげでひょんな事からきっかけはできた。 それから少しづつ、でも沢山のメールを交わしたね。彼はきちんと返信してくれた。 バイトでは相変わらずだけど少ししてからバイト終わりに二人で店の裏で話す時間もできた。 彼はただ私の話を聞き、たまに口を開く程度だったけどそこに彼がいる。二人だけでいれる時間が私の何よりのその時の宝だった。 旦那と別れ、子供とただ突き進むだけの日々だった。彼と出会って私はまた『人を好きになる』気持ちを思い出していた。 そんな日々が続いたある日彼が夏休み過ぎに大学受験の勉強を本格的に始めるためバイトを辞めると耳にした。 覚悟はしていた。いつかはいなくなるって頭ではわかっていた。 でも嫌だった。このままでは終わらせたくない!きっときっと後悔する!何より…日々のメールと帰る前の二人だけの居場所で私は亡くなってしまったあの人に似た彼をもう彼として好きになってる自分に気が付いていたから。