会社の同僚と飲んだ帰りだった。何年ぶり、いや何十年ぶりに、えりか、君をみたことだろう。
今では平凡な家庭を作って、いつリストラされるか分からない、そんなサラリーマンになった。 君は驚き、慌てて逃げようとしたが、何故か、私は君の名前を叫んだ。 「待て、えりか!何故逃げるんだ!」、
自分で言った言葉に私自身驚いた。15年ぶりの再会。君は、顔を隠ししゃがんで泣いた。
「直也だけには、見られたくなかった。今の私の姿を。福岡にまだいるとは、思わなかったわ」
泣き崩れる君は、中洲の立派なママの格好をしていた。
「店を閉めたら、電話をくれ」
そういって、私の名刺を渡して帰った。
こんなことになるとは、おもわなかった私がソファーに座っていた。