きっと自分のベッドには何かの引力があるのだろう。そう思うくらいその日麻衣は目覚めが悪かった。
「12時・・もう昼か・・授業は4時限目から出ようかな・・」
そう思った時、背中に温かいものを感じた。男が寝ていた。彼氏だ。2週間音信不通だったのにも関わらず、こうやって急に麻衣のアパートに帰ってくる。麻衣は男のおでこに優しくキスをした。いつからだろう・・「キスして」の一言を言えなくなり、まともに抱き合う事さえなくなってしまったのは。
麻衣はぐっすり寝ている男の背中に額を当てて目を閉じ、男の体に手を回した。言葉にできない思いをどう伝えればいいのか、わからなかった。麻衣は一筋の涙を流したまま、また眠ってしまった・・・・。