頭が痛い…眠い…
初めて夜の街お水のバイトした次の朝。ママから特別に日給で2万貰えた。タクシーチケットも。
今までのバイトの時給なら考えられなかった。
え…昨日は途中まで記憶あるけど…これを属に二日酔い?
父と同じくらいの店のお客に、足に手をずっと置かれて、父も外で自分の娘と変わらない子に、こんな事もしたり、もしくは体の関係持ったりするのかな…って考えながら、慣れない接客をした所までは覚えてた。
半年経って、高校の仲の良い友達も、夜の街でお水のバイトを始めた。もともと、可愛い友達が、鞄、時計、ブランド品で身を固めてた。
私も相変わらずお水のバイトを頑張っていたけど、心の中は素直で純粋に生きていこうと誓ってた。
もうすぐ高校生活も卒業だ。
友達は、派手になっていく一方で、考え方や中身まで変わっていった。前みたいに、はしゃぐ事はしなくて、物事を冷めた感じに私は感じ取っていた。
人が人を変える?
環境が人を変える?何だろ…
私は違和感を覚えてきた。
幼い頃、父と遊んだ時間、一緒に過ごした時間が、一番素直な本当の自分なんじゃないかな…って。父を尊敬したり、誰かを感謝したり、怒ってくれたり、心配してくれたり?誰が一番、私を想ってくれる?
急に人恋しくなった。
店に来る客の取ったの取らないだの、アフターだの、どうでも良くなった。私が私で無くなる事が辛かった。
今、ここに居る私は八割方、本当の私でなかった。
今なら…まだ引き返せるかも。
お天気の日、また雲の流れを見ながら考えた…
毎日毎日小さな手が、大きな手で繋がれた光景が浮かんだ。
心から笑って幸せな私が居る…。
「明日は明日の風が吹く」耳にした言葉。
決めた。
「切れた糸ならまた、繋ぎ合わせたらいい」…少女漫画の恋人達のセリフにこんな事書いてあったな。
まだ…間に合うかな…。