さっき、昼休みに会った“かわいい先生“ことトモコ先生はやっぱり男子に大人気だった。
俺の隣の席の女は“ブリッコ教師“と言って嫌っていたがモテない女のヒガミだと思う。
まぁどーでもいいか。
「おいアケミツ〜。」
ギターを差し出す。
「???今日はもう練習しないでしょ?もう放課だよ?」
首を振る。
「違う。このギター貸してやるから家で練習しな。」
・・・本当アケミツの笑顔は無邪気でかわいい。
「大桑く〜ん、海山く〜ん。」
遠くから甲高い声が飛んできた。
ブリッコ教師って言いたくなるのもわかる。
「今から帰り?気を付けてね。あ、それと・・・昼休みの練習これからも毎日見学しても・・・いい?」
首をかしげてる。
「まぁ別に、お好きなように。」
「でも先生、仕事はいいの?」
アケミツの質問に、
「あたしにも昼休みはあります。そこが教師のいいとこです。」
ツッコミをいれよう。
「どの職業にも昼休みはありますよ、新米教師。」
小さな笑いができた。
空はオレンジ、寒い空気を身にまとう。
そろそろ帰りますか。
愛しのトモコ先生に手をふる。
この日、初めて海山 明光と肩を並べ帰った。