今日も時間は過ぎていく…私だけの世界が。
そして明日も終わっていく、君の世界が。
でも…
終わりなんて本当はどこにもないんだ。
2005年冬-。
寒空も少し和らぎ
春も近づいて来たころ
八子(やこ)は考えていた。
過去が知られた事を。
八子にとってたいしたことではない。
その時だけのどうでもいい過去だったはずなのに
終わってしまった事なのに。
2002年 春─。
八子は高校卒業と共に専門学校へ入学した。
夜間部だったが、色んな年の人がいて八子にとっては毎日が楽しかった。
「なぁ?あんたどこからきたん?」
突然話し掛けてきたのは隣の席の京だった。
「うちは、京都から。」
「本間に?うち大阪やねん!えらいうれしいワァ」
「そうなんだ。近いんだね。私、月島 八子18歳よろしく!」
「なんや。標準語も上手いなぁ。
うちは東野 京。同じ年!よろしくね!」
一通り自己紹介をしおえると、担任が入って来た
「今日からこのクラスを担当します。根本 康子です。みなさんよろしくね。」
優しそうな先生だった。