ボクが死ぬ時

南南西  2007-03-30投稿
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違和感。
ボクはいつも違和感を感じながら生きている。
自分に対する違和感を。
もうずっと前からこれは存在する。
中身と外身違う。違和感。中身と外身がシンクロしない。違和感。
気持ちが悪い。生きている事が気持ち悪い。すべてが気持ち悪い。そして恐い。
これは、誰にも分からない。だから誰にも言わずに生きてきた。


ボクはいつも浮いていた。
保育園の時も、小学生の時も、中学生の時も、高校生の時も…
家でも、学校でも、アルバイト先でも、どんな所でもボクは浮いていた。
いつもみんなが羨ましかった。普通の中に入れる人達が羨ましかった。
学校の中に必ず存在する一枠。一クラス35人として、その枠の中に入るのはたったの一人。ボクはいつもそれだった。
その枠の中には、敵はいない。だけど敵はいないが味方もいない。
まわりの人達はいつもボクを不思議そうな目で見つめる。興味と偏見の入り交じった目で…

ボクはいつも一人だった。ボクは、ボクの人生を誰にも心を開かずに生きてきた。ただの1度だって誰かに心を開いた事はない。
親にも、兄弟にも、数少ない友達にも。



ボクの家族は4人。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、そしてボクの4人。
末っ子だからといって、それほど可愛がられた訳ではない。
両親は共働きだった。今はあたり前な事かもしれないが、ボクが子供の頃は共働き家庭はまだあまりなかった。
父親は国家公務員で、仕事に人生を捧げている仕事人間。母親は看護婦(今でいう看護師)で、毎日仕事と家事だけで手いっぱい。あまり子供にかまっている余裕も無かったし、仕事の為に夜中にも家に居ない事が多かった。
まぁ、そのお陰でボク達兄弟はお金に困ることは一切無かった。
だけど、こんな家庭に産まれてきたボクと兄ちゃんは、産まれて何ヵ月もたたないうちに保育所に通うことになった。属にいう、ゼロ歳保育だった。

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