キングダム 1

るぅ  2006-01-30投稿
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―魔術妖術化物悪魔―その他奇なるものと人間が乱れ住む世界『エイジア』。
かつて「奇なるもの」を使い、又は「奇なるもの」と戦い伝説となった騎士団や冒険者達は数多くいる。しかし、
「史上最高のヒーローは?」
と聞くと、人々は口を揃えて言うだろう。
―『キングダム』―\r
これは言葉通りある王国を指している・・・わけでは、ない。騎士団の名称でもなければ冒険者パーティの呼び名でもない。もちろん人名でも、ない。
この世界でもっとも有名なヒーロー。
それは、総勢10名にも満たない小さな小さな探偵団であった。
さて、これはその小さな探偵団が史上最高になる様を綴ったサクセスストーリーの第1章である。興味のある人はどうぞ―。


進化と伝統―その相反する二つが共存している都市『アランジスタ』。
大陸一の繁栄を誇り、別名<ティーダシティ>=<太陽の町>と呼ばれる程明るく活気あるこの町にも陰は存在した。闇市場や犯罪者のアジトなどが連なる、アランジスタ唯一の陰<ダミアンストリート>。
昼日中でも滅多に通行者は見受けられないというその通りの中心にそびえたっているのは、とてもこの通りに合っているとは言えないレンガ造りのレトロでお洒落な建物であった。ど真ん中にどしりと構える大きくて立派な扉。かけられているプレートには不思議な光沢のある文字が浮かび上がっている。流れるようなそれでいてはっきりとした文字で一言。
〜キングダム探偵事務所〜
AM10;15
その扉の向こう側で・・・

「あ〜暇だなぁ。」
真っ赤なソファに沈み込むように座りながら、ロシアンは呟いた。長めでクセのある金髪を無造作にかきあげると、髪よりも深い金色の瞳をしばつかせて嘆息する。
「なんか面白いことねぇ?レイラ〜。」
と少し離れた所にあるカウンター(中にはバー顔負けに酒やワインなどが並んでいる)に腰かけている女へ声をかけた。レイラと呼ばれたその女が、腰まである紫色の髪を優雅になびかせながら振り向く。掛け値なしの美女だが、今その色っぽい唇は険悪に歪められていた。
「誰のせぃだと思ってるわけ?」
イライラと呟きレイラはロシアンの前まで歩み寄ると、アンティークで相当価値のありそうなテーブルに十数枚の書類を叩きつけた。
「アンタがこれは嫌あれは嫌ってワガママばっか言うから仕事が無いんでしょ!?依頼はこんなに来てるのに!!」



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