確か旦那と出会った時にも鐘が鳴った
鐘の音の始まりは、いつだったかな…
「ねぇ!何年生!?」
キタキタ!
「俺たち、二人なんだけど遊ばない?」
横浜駅西口、予備校からの帰り道はナンパの嵐
短いスカートにようやく流行りはじめたルーズソックスをいち早くはいて、ゆっくり駅に向かう
きっとその頃からだ
好みってわけでもないけどこの人とは深い関係になるだろうなぁって出会いには必ず鐘の音が鳴る
「有希の鐘の音の話、私は信じるよ」
いっつも遊んでた友達は真剣な目で言ってた
不快感−信じるよ…か、あぁあ、この子のこういうのうっとおしいんだよね
まあ、暇つぶしに話をした私がまねいた不快感だから仕方ないか
でも、そのあとの色んな出会いから考えると、あなたが信じた私の鐘の音は確かみたいですよって教えたあげたい
深い関係にも色々あるんだけど、旦那のように結婚に至る場合とか、単純に付き合うようになるだとか、プラトニックで終わったり、体だけだったりって…
「佐山さん!終わりましたよ〜」
ハッ!いけない、私ってばまた、トリップしてた
「どうしたんですか?佐山さん、遠くに行ってましたよ」