(どうして…)
彼女の携帯を鳴らしながら茫然と立ち尽くしていた
かけてもつながらない…
ソファーに座ると目の前に一枚の紙と封筒と書きかけだったクロスワードの本が置いてあった…
(ごめんなさい… 嫌いじゃないの… でも解らないの… 何がしたいのか… 誰が好きなのか… 直接話す勇気もなくなって… 探さないで…)
手紙には小さな彼女の字でそう書いてあった…
封筒には生活費の残りのお金が入っていた…
とにかく話したい 今すぐに…
俺は携帯のリダイヤルを押した
話し中の ツー ツー と言う音になっていた
彼女はきっと話したくなかったんだろう… 着信拒否にされているのに気付くまで 何度か話し中だと思いリダイヤルしていた…
起きた時にはいつもと変わらなかった部屋が 今は一人の自分に襲いかかってくる…
天井がジワジワ下がってきて… 壁は今にも倒れてきそうなぐらい 押し迫ってくる…
息苦しくて 呼吸の回数が増す… 冷たい空気に体が小刻みに震える… 自然に涙が流れて目の前が霞んで見える…
(どうして…)
俺には その言葉しかなかった…