携帯はいくら鳴らしても繋がらなかった…
不安で… 恐くて… どうしたら良いか解らなくて 現実を受け入れる事が出来なくて 部屋を出て近くのコンビニに向かっていた
十円玉がなかったが 迷わずポケットの中の百円玉を公衆電話にいれ ダイヤルを回す
今度は呼び出し音が 場違いなぐらい軽快に鳴りはじめる…
俺には何度もかける勇気がなかった…
留守電の声を聞いてしまうとすべてが現実になってしまう様な気がして 受話器を置いた…
(話したい… 声が聞きたい…)
それすらかなわない今の自分を攻めた…
彼女の家は解っていた 親と住んでいたのだ…
(逢いたい…)
彼女の実家の前まで行ったが時間も遅いし… と引き返し
また途中から戻って彼女の実家の前まで戻り また引き返す…
夜中だとか 親が居るからと理由を付けては居たが それは言い訳でしかなかった…
逢ってサヨナラを言われるのが恐かったのだ
家に帰りたくなかった
恐くて帰れなかった…
朝方彼女から一通のメールが来た…