私は来た道を戻る、、あっ!、、、買い出し。
夕食の材料を買わねば、冷蔵庫がカラになっていた。
その足でスーパーへ、、。
丁度タイムサービスが始まっており、主婦達に揉まれながらも購入することができた。
帰り道、遠くの方から単一的な雑音、、救急車か。
音は近付き、私に雨水を飛ばし去っていった、、。
驚いた拍子にトマトを一つ落としてしまった。
雨にうたれ、潰れたトマト、、綺麗だと思ってしまう自分がいる現実。そのさまをしばらく見つめていた。
ホラービデオを観たときも感じた凡人には理解しようない芸術性、、。あれは作り物だが、死体をみてある意味興奮してしまう、、涙が出ないわけだ。
帰宅する頃には雨も小雨になっており日も落ちかけていた。
いつものように隣の家からは怒鳴り声が聞こえる、、夫婦ゲンカでもしているのか?
毎日飽きもせずご苦労なことだ。
『お前なんか殺してやる!!』
怒りに便乗してか罵声が響く。遅れて物が壊れる音、、
結婚てなんなんだろう、、?
紙切れ一つでこんな関係、しなければよいものを。
永遠の愛を誓えど、そんなもんか。
ため息一つ家のドアを開ける、、。
奥から水を出す音、、『おかえり、風引く前にお風呂入り。』
父は優しい、こんな私にも気を使ってくれる。
感情の欠落も理解してくれて、感謝しか生まれない、、だからこそどうにかして涙だけでも良い、出せるよう努力しているのだ。
湯舟につかりながら決意を新たにする。
外からはまだ喧嘩の声が聞こえる、、ヤレヤレ、、。
食事と団らんの時間を過ごし、部屋へ戻りすぐさまさっき聞いた製造工場へ電話する、、
、、、留守電だ、、。
明日またかけ直すか。
お気に入りのバラードを流し、今日も泣けなかったとカレンダーへ「×」を記す、、。