窓を開け、ベランダに出た結奈は遥か遠くのビルの合間から見える巨大生物の姿に驚いた。
異変に気付き、綾香もベランダに出た。
綾香「あ、あれって…やばいじゃん!!早くシェルターヘ逃げないと!!」
結奈「そ、そうだね?! すぐ下りよう!!」
その時、調度のタイミングで二人の頭上をストライカー10機の部隊が敵の方に向かって飛んで行った。
綾香「軍が来た!!これでもうあの牛も終わりだよ!」
結奈「え?あのグルド、牛みたいな形してたの?」
結奈は影を見ただけで形をはっきりとは捕らえていなかった。
ストライカー部隊は牛型グルドを包囲するように着地、展開した。
砂色の機体が9機に対して砂地に赤のラインが入った機体が1機、隊長機である。
隊長「よし、このまま隊形を維持しつつ徐々に近づけ。敵が仕掛けて来ない以上手を出すな」
部隊は少しづつグルドとの距離を詰める。
部下の一人がこう漏らした。
部下「し…しかし、なんてでかいグルドなんだ…これでは捕獲網が間に合うかどうか…」
隊長「無駄口を叩くな!!捕獲が困難な場合はその場で射殺するぞ!!いいな!!」
部下全員「了解!!」
部下の言う通りこの牛型グルドのスケールは圧倒的であった。
普通のストライカーの全長は約6メートルである。
これは背丈が一定では無い特定危険生物に対して最も効果的であるとされているからである。
しかしこの牛型グルドは 見た所、背丈が四倍位は ありそうである。
とてもこれに示す限りでは無いと隊員の誰もが思っただろうしそれは隊長に関しても例外では無かった。
徐々に距離を縮め、全機が捕獲電磁ネットのシューターを構えた時であった。
牛型グルド「ングモゥオオオオオオ!」
牛型グルドは前足を高々と上げて咆哮した。
地面に前足が着地した瞬間、凄まじい地響きと共に地面が激しく陥没した。
予想出来なかった攻撃にストライカー部隊は次々と地面に引き込まれて行く。
牛型グルドは陥没する直前にその巨体に見合わない位高く飛び上がり、そして一機のストライカーを踏み潰す形で着地した。
陥没した場所からは鼓膜を破らんばかりの爆発音と共に巨大な黒煙があがった。