「え〜っと、じゃあ、椎名君に、和真君に、隆くん」集合したときから、今夜の本命は決まってた、久々のタイプだった
「おいおいおぃ〜」
男性三人から、突っ込まれる
「贅沢すぎやしないかい?」
なんだ、ちゃんと選べって…
「一人だけだよ」
「じゃあ、椎名君は誰?」「そりゃあ、有希ちゃん」「どうもです」
女性陣のタイプから聞き出して、合コン後半戦に突入しようってこんたんか
椎名君は、私が眼中にないのを知ってる、そして今夜の出会いで椎名君が則子の事が気になってることも
私には関係ないし、むしろ他に気が行ってくれてるほうが、楽だ
だって、私の気は、最初っから隆くんにあったから
「こんばんは」
合流してから、一番に私に個人的?に声をかけてくれて、お店まで一緒の傘に入れてくれた
長い髪、高すぎない身長、ふわっと香る海の匂い、服のセンスも、顔立ちも、好きなタイプだった
「隆くんは?」
彩が聞いた
「有希ちゃん」
あまりの即答に、場の空気が止まる
酔ってるとはいえ
《隆くんが私に狙いを定めた》ことは暗黙の了解になったようだ
トクトクットク…
心臓が早くなって、体がふわっと浮いたような心地になった